ホームレスの女から突きつけられた”10箇条”?

岡村被告は、貸しては返してもらう、をくり返していたある時、「全てが変わった」と主張した。

岡村被告
 病院の裏にお金を届けに行ったときに、シムラから「北朝鮮の家の中にもランクがあって、うちは北朝鮮の家の中でもとてもえらい人間で・・・」と、拉致被害者の事件の話をされたり、世田谷一家の殺害のことを話されたりして、シムラのカバンからスケジュール帳を見せられ、拉致する人の名前が書いてあるのを見せられて、「その中に私の家族の名前が載っている」と言われて、「これから安全のために口座を使わせろ」と。よく意味が分からなかったので、無言のまま立ち上がったら、シムラから思い切り両肩を捕まれて、「家族を守りたいならうちの言うことを聞け!」って。怖くて「分かった」と答えるとシムラが「1!」「2!」という順番で条件を出してきて

岡村被告が何をすればいいか尋ねると、和美被告は「(自分が)送金した現金をそのまま持っていてくれ」と指示したうえ守るべき10箇条を課したと主張した。

【10箇条】
・借金の返済について言ってこないこと
・和美被告が入れたお金に手をつけないこと
・和美被告とのことを公にしないこと
・和美被告以外の友人と付き合わないこと
・朝連絡、夜連絡をとること
・和美被告との会話について口を割らないこと
・会うとき遅れてはいけないこと
・和美被告とのことを誰かに聞かれたら大親友と言うこと
・会うときに防犯カメラに映らないようにすること
・連絡をとぎらせないようにすること

この日から、支配者と従う人の関係が始まった、指示に従わないと「家族を殺す」などと脅され逆らえなかった、などとくり返した。

岡村被告
 逆らってはいけない人。シムラから言われたことを全部人にこぼすのが怖いくらい私はシムラがとても怖いんです。

弁護士
 当時シムラ以外の友人は?
岡村被告
 友達がいました。シムラから命令されて、お金を借りてからは付き合いをさせてもらえなくなったので、友達を失いました。

服やバッグの購入・事件当日の送迎も「指示されたこと」

岡村被告は事件前に和美被告のため動きやすい服やバッグ、手袋などを購入しているほか、防犯グッズ販売店に和美被告と一緒に訪れている。
事件当日にも防犯グッズ販売店に送迎し、和美被告が催涙スプレーを購入している。

事件の1週間前に和美被告が「つぐみ襲おうかな、催涙スプレーかスタンガンで脅そうかな」と言っていたが「(和美被告は)平然と冗談を言うので」信じていなかったと主張。
前日の夜に和美被告から「つぐみのところに金を借りに行く」と伝えられ、送迎を指示されたという。
全て和美被告の指示に従ったことで、目的などは「聞くことが許されていなかった」と話した。