犯罪に巻き込まれた被害者や遺族が服役している受刑者に被害者の思いを届けるにはこれまで、手紙の受け取りや面会を拒否されるケースがあるなど、ハードルが高いとされている。そんな中、去年12月から始まった「心情伝達制度」は被害者と加害者の間に刑務官などが入り、被害者の心情や意見を受刑者に伝えるものだ。今回、子どもを殺害された2組の遺族がこの制度を利用した。受刑者から返ってきた言葉とは?
「ズタズタだから見せられない」10か所以上刺され息子殺害された父親

和歌山県紀の川市に住む森田悦雄さん(76)。森田さんにとって自宅近所にある空き地は特別な場所だ。森田さんはここで最愛の息子を奪われた。
(森田悦雄さん)
「お父さん頑張っていくからってずっといっているんですけど、その言葉を毎年のように言ってるんですよね…うん」

小学5年生だった森田都史くん(当時11)。都史くんは2015年2月、刃物で頭や体など10か所以上刺され殺害された。
(森田悦雄さん)
「体はズタズタやから見せられないとそんな風に言われて…都史くんの状態を見てもらうのは普通では考えられないぐらいひどい傷やって」