“世界のFUNAI”と呼ばれた家電メーカー・船井電機の経営破綻。「今月分の給料は出ません」。500人以上の従業員は突然、解雇されました。その裏側で一体何が起きていたのでしょうか。

元社員「“FUNAIブランド”がなくなってしまうのがショック」

東京地裁が受理した破産事件記録、事件番号(フ)第7200号。その債務者の欄には「船井電機」と書かれています。

10月、破産手続きの開始決定を受けた大阪・大東市の船井電機。ここで働いていた500人以上の社員が突如、職を失いました。

破産手続きの開始決定が出た10月24日は、実は給料日の前日。社員は急遽、本社食堂に集められ、その場でこう言い渡されたといいます。

説明会に同席した弁護士
「みなさんはきょう付で解雇ということになります。申し訳ありませんが、今月分の給料は出ません」

突然の解雇通知に、社員らも戸惑いを隠せませんでした。

船井電機の元社員
「もう笑うしかない。起きたことは仕方がない」
「何も考えていない状態で破産と聞いた。生活の不安もあるし、“FUNAIブランド”に誇りはあるし、それがなくなってしまうのが自分の中ではショック」