■「煙をずっと浴びていたい」 “煙の罠”に耐えきれず・・・

なぜこんなに人気なのか。“モクモクの煙”にヒントがあるようです。

注文口から離れて、店の正面で待つ白い服の男性。どうやら煙の流れて行くほうに移動しているようです。


白い服の男性
「ずーっと常に(煙を)浴びていたいので」

“炭で魚を焼く香ばしい匂い”を求めているんですね。他の男性も…

お客さん
「煙から味わっていきたい、みたいな」

“香りもごちそう”っていいますからね。煙での集客効果も抜群です。

ーー匂いを嗅ぐためにここで待ってるんですか?

近隣住民
「そう、ちょっとしたら帰るんで」

ーー帰る前に匂いを嗅いでおこうと?

近隣住民
「そうそうそう」

結局、匂いだけでは耐え切れず「サバ弁当」を購入してしまいました。

さらに散歩の途中で通りかかった親子が。夕飯は牛丼が準備されているそうですが…炭火焼きの匂いをスルーできるのか?



足が止まった!

どうやら息子さんが“煙の罠”にハマった様子。お父さんは「牛丼が待っている」と必死に説得をするも…


息子
「美味しいー!やっぱり美味しいなー」

■昔懐かしい魚を焼く“香ばしい匂い”で焼き魚の良さを届ける 

店主はもともと「釣り船の船頭」だったそうですが、年々ある寂しさを感じたようで…


鯖の助 川和秀動店主
「昔は夕方になると魚焼く匂いとかよくしたけど、今全然しないですもんね」

夕飯時に流れてくる焼き魚の香り。「あの懐かしい香りがしなくなった」と釣り船を辞め、10年前に炭火焼専門の弁当店をオープン。

鯖の助 川和秀動店主
「美味しいのは分かっていても、面倒くさいから焼かない。『代わりに焼きますよ』って」

香りを存分に出せるようにと炭火焼きで。道路沿いで公園のそばにしたことで、クレームはないといいます。逆に近所の住民は…

近隣住民
「名物ですね。煙が上がってるなっていう感じです」
「涼しい時期とか、窓を開けてると香りが入ってくるので食べたくなりますね」


この時期には“秋の味覚”「サンマしょうゆ漬」の炭火焼きも。
千葉の名産・銚子の醤油に漬け込んだサンマは、天日干しに。お日様の力で旨味がぎゅっと凝縮され、醤油の香りが生臭さを打ち消してくれるんです。

都内のスーパーでは1尾300円程だというサンマ。こちらのサンマしょうゆ漬のお弁当は780円、単品だと580円とお買い得。

鯖の助 川和秀動店主
「焼き魚は本当に美味しいよというのを広めたくて、お弁当の方が沢山の人に食べてもらえるかなって」

失われつつある、昔懐かしい魚を焼く香ばしい匂い。今日もこの店からモクモクと“あの頃の香り”を届けます。