亡き夫の愛車を寄贈「主人もきっと喜んでる」
もともとこの車は、横浜市在住の田中紀久子さんの夫が所有していたものでした。
夫はクラシックカーのコレクターで、ダットサンを4台所有していましたが、夫が亡くなった後、田中さんは「どうしたものか」と困っていたそうです。
田中さんにお話をうかがいました。
ダットサン17型ロードスターを譲った田中紀久子さん:
「興味のある人だけには宝だけど、大きくて誰も乗らなくて、汚れてて場所を取るという、私のような者には何にもならないものでしたからね。
粗大ごみの日に、(別のごみを回収してもらおうとしていたのに)ダットサンを見て『これはレッカー車がないと捨てられないですよ、業者に頼んでください』って言われたことがあるくらい、もうボロくてサビだらけ。だから、寄贈することになったときには、『ああよかった』と思っていました」

レストアが完了した夫の愛車を見たときのことを、「感動した」と田中さんは振り返ります。
ダットサン17型ロードスターを譲った田中紀久子さん:
「出来上がったら、あんなにきれいになって。本当にあれはね、マイフェアレディですよ。あんな貴婦人に生まれ変わったんですからね」
「若い学生たちの経験や勉強の役に立つという新しい人生を、ダットサンに渡せたことがすごくうれしい」と語る田中さん。
生まれ変わったダットサンの写真を、夫の位牌の近くに飾っています。「主人もきっと喜んでいるわ」と、愛車の新しい門出に晴れやかな様子でした。