「エンジンがかかった瞬間、鳥肌が……」
ダットサンのレストアを手がけてきたのは、関東学院大学理工学部で自動車を研究する学生たち。
先進機械コースの武田克彦准教授が指導する4年生が毎年、卒業研究として、寄贈された1937年製造の「ダットサン17型ロードスター」のレストア(修理)を行ってきました。
関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授:
「次はここをもっと直してくれとか調べてくれとか、バトンタッチしながら継続してやってきました。7年ちょっとですね」
きっかけは、車雑誌「SUPER カーグラフィック」の元編集長・伊藤和彦さんです。
当時、伊藤さんが大学で非常勤講師として勤務していた縁で、「実際の車を通して学ぶ機会を与えたい」と、伊藤さんを介して古いダットサンを譲ってもらえることになりました。

しかし、届いたダットサン17型ロードスターの状態はよいものではありませんでした。
サビもひどく、シリンダーのふたを開けるのも大変な作業だったそう。
毎年、4年生が、少しずつ修復し、研究論文を書いて、続きは後輩に託すという形でバトンを繋ぎ、ついに、今年完了しました。
レストアが完了し、エンジンがかかった瞬間のことを、武田准教授に聞きました。
関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授:
「実験室から、クランキングという、エンジンを動かすためのセルモーターを電動工具で無理やり回す、キュンキュンキュンという音が響いて聞こえてきてたんですけども。
長い時間ずっと回していたのですが、なんの予告もなく急にバッと火が入りまして、ガラガラガラとエンジンがかかった音が聞こえてきました。長く眠ってたエンジンが、『目覚めた!』っていう瞬間に、本当に鳥肌が立ちました」

修復が完了したダットサンはオープンキャンパスでも一般公開されました。
「本当に動くの?」と興味津々の車好きの方がとても多かったそうです。
復活したダットサンがキャンパス内を走行する映像も公開されています。
