「(PR会社)ぶっちゃけすぎ」 選挙プランナーは本来、候補者をどう支える?
小川彩佳キャスター:
斎藤知事、今度は違法性を問われる事態となっていますが、どのように見ていますか。

選挙プランナー 戸川大冊さん:
率直に言って、(PR会社社長のコラムは)ぶっちゃけすぎ、こんなことを書いて大丈夫なのかと読んだときに思いました。行政書士をはじめ司業というのは、法律上守秘義務があるのでクライアントのことは開示できませんが、一般的に民間企業でも秘密は守るべきではないかと一番最初に思いました。

藤森祥平キャスター:
15年以上選挙に携わってきた戸川さんによると、選挙プランナーの仕事というのは、▼選挙のスケジュールを作り、▼活動に違法性がないか相談、▼収支報告書などの文書を作成で、こうした作業の対価として報酬を受け取りますが、それは問題ないということですね。
選挙プランナー 戸川さん:
そうですね。選挙に出るためには立候補をしなくてはいけないので、立候補のための届出書類や収支報告書を作りますが、我々は専門職ということで対価をいただきます。
小川キャスター:
具体的に、どのような議員をどう支えていくのでしょうか。
選挙プランナー 戸川さん:
あまり詳しくは言えませんが、この間の総選挙でも多数の議員をお支えしましたし、統一地方選でもお支えします。
傾向としては新しい政党の方が多いです。自民党などは組織がしっかりしているので、党がしっかりケアしますが、新しい政党や野党の小さい政党、無所属、新人は右も左もわからないということで、ペースメーカーとして伴走していくことが多いです。
小川キャスター:
真山さんは選挙プランナーを題材にした小説を書かれた経験がありますが、今回のケースをどのように見ていますか。

小説家 真山仁さん:
今回のPR会社は選挙プランナーではないと思います。SNS戦略やポスターの制作もやっていたようですが、選挙プランナーとはそのような部分的なものではなく、いわゆる外部にいる選挙参謀のようなものではないでしょうか。
つまり、選挙に勝つために作戦を練っていろいろな準備をして、選挙後には収支報告書などを作成できると思いますが、告示されると何もできなくなるので、選挙前に行うのは段取りまでです。
ボランティアであろうが何であろうが、選挙中に選挙に関わる仕事をしている人が参加するというのはあり得ません。私の取材相手も、とにかく選挙が始まったら絶対に現場には行かない、そもそも誰がやっていたかなんて絶対に言わないというのは当たり前だといいます。
「この人の成功は私のおかげです」という人は絶対にいません。そういう意味では、この問題で選挙プランナーが「ひどいことをする人」だと思われることがあれば残念です。

藤森キャスター:
戸川さんは選挙期間中は現場に行きますか。
選挙プランナー 戸川さん:
現場に行くことはありますが、スタッフと同じようなジャンパーを着るようなことは絶対にやりません。
イメージカラーのジャンパーを着て一体感を出す人もいるようですが、私は必ずスーツでバッジを付けて、専門家として一歩引いて裏方として、例えば表記がちゃんとしているか腕章をしているかなどをチェックします。今は映像に残ってしまうので、ちょっとしたミスを後々指摘されないようチェックして回ります。