King Gnuや Official髭男dism、きゃりーぱみゅぱみゅ、藤井風、Vaundyなど、数多くのアーティストに支持され、ミュージックビデオや公演で「独自の世界観」を創り続けている 特殊メイクアーティスト・快歩(KAIHO)さん 28歳。

特殊メイクアーティスト 快歩さん



俳優の浅野忠信さんが15年ぶりに監督を務め、12月13日から劇場公開される短編映画「男と鳥」(ミラーライアーフィルムズ・シーズン6)では、衣装・特殊メイクを担当。「摩訶不思議な世界観」をつくる上で重要な役割を果たしています。

映画「男と鳥」 監督・脚本 浅野忠信
ゾンビ侍(田中一平)は神から、「この箱を5分後に届けなさい」と頼まれる。男が眠気をこらえながらも進んでいくと、そこへ箒に乗った鳥(阿部進之介)が現れる。箱に関心を示し、男を追いかけ回して奪おうとしてくる鳥だが、鳥がこじ開けようとしても箱は決して開かない。箱をめぐる摩訶不思議な物語。

短編映画「男と鳥」 ©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT



今年「Forbes JAPAN」が発表した「世界を変える30歳未満」にも選ばれている 快歩さん。その魅力に迫ります。

Forbes JAPAN 「30 UNDER 30 2024」授賞式より



Q:今回、浅野忠信監督の映画「男と鳥」に参加したきっかけは?
快歩:きっかけは…「ミラーライアーフィルムズ」の発起人でもある「and pictures」の伊藤主税プロデューサーと以前「ゾッキ」という映画を作らせて頂いた事があって、今回の「シーズン6」の監督が俳優の浅野忠信さんに決まり「すごく不思議な企画がきた」「快歩さんが合うと思う」と言われたのがきっかけです。

ゼロから世界観を作ることも含めて、お声がけいただいて、最初は「映画の内容が、わからな過ぎる(笑)」状態だったので、「とにかく浅野さんと1回、直接会わせてください!」とお願いして、「何をしたら良いのだろう?」という所からはじまって、そこから、徐々にイメージをすり合わせて作品を作っていった感じです。

Q:説明を聞いても 全くわからない状況?
快歩:そうですね。最初に頂いた資料が「監督の箇条書きメモ」みたいな物で、「これは何をどう作れば良いのだろう」と… でも自分に頼んでくれているってことは、多分自由に遊べるのかもしれないな?みたいな想いで仕事をさせて頂きました。

Q:具体的に どんな発注が?
快歩:そうですね。「鳥」と「ゾンビ侍」と「石」みたいな… 「石が喋る」って突然言われても、何を作れば良いのだろう?みたいな状態から始まりました。

快歩さんが提案した「ゾンビ侍」のラフ画
快歩さんが提案した「鳥」のラフ画


Q:こだわったポイントは? 
快歩:「見たことがない世界観にしたいな」という意識はあって、結構そこは出来たのではないかなと思っていて、 「ゾンビ侍」とかも普通に甲冑ではなくて、「スポーツ用品」を使って甲冑っぽく見せちゃうとか…

あと、鳥の着ぐるみとかも、いわゆる普通の鳥じゃなくて、ちょっと何だろう…。ファンタジー要素がある着ぐるみにしようと思って、鳥の中に入る、阿部(進之介)さんの「顔」も生かして、最終的にキャラクターとして面白くなったらいいな… という想いで、やらせて頂きました。

©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT


Q:これを浅野監督に見せたときの反応というのはどうだったんですか?
快歩:すげぇ~笑ってくれました。1回打ち合わせして、たたきのデザインをあげて… その後 もう一度も見せずに衣装合わせ… みたいな流れだったんですけど、すごく喜んでいただけて嬉しかったです。

Q:特に手直しとかはあまりしてない?
快歩:そうですね。フィッティングして、微調整だけ… 撮影の時に 強度的に耐えられるのかとか、そういう手直しはありました。