ボケとネタ作り担当の平井まさあきさんと、ツッコミ担当の浦井のりひろさんからなるお笑いコンビ・男性ブランコ。「キングオブコント2021」準優勝、「M-1グランプリ2022」ファイナリストとして、コントも漫才も得意とするコンビだ。

そんな男性ブランコの平井さんが、連続ドラマ初レギュラーで出演しているのは『ライオンの隠れ家』。主人公の弟が働くデザイン会社のデザイナー兼CEO役を演じている。普段、コント師として別人になりきる平井さんが、本作の役柄とどのように向き合っているのか。思いをかけ違わないために大切にしている相方とのコミュニケーションの取り方も話を聞いた。

自分の中に眠る発想に気づく

――連続ドラマのレギュラー初出演の感想は。

まず驚いたのは、僕が演じる船木真魚という役について詳しい資料をいただいたことでした。その資料を読むと、船木はアーティストさんたちの才能に惚れ込み、「プラネットイレブン」というデザイン会社を立ち上げた人物だと書かれていました。きっと根が優しいだけではなく、自分が心から好きな絵を描く方々、驚くような作品を生み出す方々と一緒に仕事をしたいという強いリスペクトの念を持っているんだと感じました。その気持ちを大切にしながら、現場でもフランクに接することで、船木という人物像を作ることができるのではないかと思いながら演じています。また、船木の喋り方に関しては、もしかすると僕が自然に言いやすいセリフ回しに調整してくれたのかなと思うほど、無理なく作らずに演じられています。

――「プラネットイレブン」はハンディキャップのある人も採用している会社。撮影現場には、本作の自閉スペクトラム症監修を務める「さくらんぼ教室」に通う生徒さんも参加されています。

皆さん、とても素直な方ばかり。実際にアーティストとして活動されている方の作品を見る機会もあったのですが、どの作品もご自身が「これがきれいだ」「こう表現したい」と思うものを、余計なフィルターを通さず自由な発想で作られているなと感じました。その表現からは、根源的な欲求や純粋な創作意欲が伝わってきて、「僕の中にもまだ眠っている発想があるかもしれない」と気づかされ、勉強になりました。