「明日が来ることは当たり前じゃない」

今回富山で公演を開くきっかけとなったのが、ウクライナで経験したコロナ禍です。
新型コロナの影響で公演が出来なくなり、岩崎さんは2021年に日本へ帰国しました。
その後、ウクライナではロシアが軍事侵攻を開始。戦争が始まり岩崎さんが暮らした街も戦場に。
岩崎安里さん
「戦争って、私も日本にいたらすごい遠い国の話で、あまり感覚が湧かなかったと思うけど、住んでいた場所に(ミサイルが)飛んできていて、穴が開いていていたりと。その映像を目の当たりにすると危機感みたいなのに迫られて、私がもし(ウクライナに)いたらどうしていたんだろうみたいな」
当たり前の日常も見慣れた景色も戦争によって次々と奪われていきました。
岩崎安里さん
「本当に私のウクライナ人の友達が窓とかないところ、お風呂の中に実際に布団とか敷いてそこで寝泊りしている。みんなお風呂の中に避難するんだけど、その様子とか動画とか送られてきて、いまこんな感じだよみたいな。もう、なんか怖くて」

さらに、岩崎さんに戦争は他人事ではないと感じさせたのは舞台をともにした仲間、アレクサンドル・シャパヴァルさんです。
岩崎安里さん
「(シャパヴァルさんは)すごく自国愛の強い方で戦争に行ったんですよね、自ら。そこ(戦争)で亡くなっちゃって。一緒にやっていた人がいなくなったっていうのこともそうなんだけど、明日がくることは当たり前じゃないっていう感覚がすごい強くて」
この思いを舞台で伝えたい。岩崎さんが今回、富山で公演を開いたもう一つの理由があります。

岩崎安里さん
「私の幼少期をずっと支えてくれていたおばあちゃんで、ダンスの送り迎えとか夜ご飯とか作ってくれて、ずっとおばあちゃん家で過ごしていたんですけど。私が海外に行ってから学んできた踊りを結局見せられないまま亡くなっちゃって、それが一番大きな後悔として残っていて」