「生活保護だけではもう生活できないんです」
日本はどれだけの人が公的支援を受けられていないのだろうか。現場を取材した。

愛知県一宮市のNPO法人、サポートセンター『のわみ相談所』。
貧困支援などに取り組み今年で26年になる。
番組が訪れた日、相談所の前に行列ができていた。
無料の食糧支援の日だった。相談所が週3回実施している“フードバンクのわみ”。
この日は13人が支援を受けた。配布された食料を手にした83歳の男性は言う。

「食べていけないから来るの。そりゃ大助かりや、のわみ様さまやわ。足向けて寝られんよ…」
月5万円の年金で暮らしている75歳の男性は…。

「食事は1日分を2日くらいかけて食べるようにしてる。お腹空いちゃうのはもう慣れちゃって…これでもええわっていうやけっぱち…」
一人暮らしの高齢者が多い中、家族からのDVで家を出たという20歳の男性がいた。現在は生活保護を受けているという。

「(自由に使えるお金は)食費とか含めると3~4万円くらいです。まず高校卒業したい。高校行きたい。行くためのお金稼ぎたい…」
支援を続ける代表の三輪さんによると、昔と今では貧困の形が変わってきたと話す。

『のわみ相談所』三輪憲功 代表
「困窮者はむしろ増えているとみています。昔は野宿者が多かったんですけど、今は広い意味のホームレスの方が多いと…。家があっても自分の居場所がない。DVの問題とか“見えないホームレス”って色々ありますけれど…
生活保護を受けてても生活保護だけではもう生活できないんです。一人暮らしの例でいうと10万6000円かそこら仮にお金が出ますね。そこから家賃、食事代とか光熱費とか引いていくと…電話代も含め…しかも物価が上がってますから生活は無理なんですね…。
今の生活保護の仕組みを何か変えていく必要があるんじゃないかなと…。生活がきちんとできるような金額をやっぱり払ってあげないと…。最低限の生活っていうのは憲法で保障してるわけなんですから。今のでは生活保障にならないですね」