イスラエル人の歴史家も若者に取り囲まれ…

一方でイスラエル国内では今回のガザの危機的情報をどう捉えているのだろうか。

ホロコーストやジェノサイドの研究の第一人者で現在アメリカに住んでいるユダヤ系イスラエル人のオメル・バルトフ教授は、もはや自分が知らないイスラエルになってきているという。

去年、11月にニューヨークタイムズにジェノサイドがの可能性があると寄稿した。しかしその時は証拠はないしそこにイスラエルが転じてしまわないようにする時間はあるとしていた。

その後今年の6月イスラエルの大学に講演に行った時のこと。1時間若者に取り囲まれ話すことすらできなかったという。

オメル・バルトフ教授
「彼らは非常に怒っていました。私がジェノサイドについて警告し、可能性に言及していたのを彼らは読んでいたからです。10月7日に怒ったことに対する唯一の解決策はパレスチナ人を根絶やしにすることだと信じ切っていました」

バルトフ教授は、原因の一つとして軍隊で非常に宗教的で右派的な教育が進んでいることだという。そのため若者が右傾化しているという。ただ、今イスラエル国内の雰囲気は若者だけでない。バルトフ教授は友人からかけられた声がショックだったという。

オメル・バルトフ教授
「私はイスラエルで生まれイスラエルで育ちました。学校も大学もイスラエルで通い軍務にも就きました。私がこれまで付き合ってきたのは考えが近いはずの人たちでした。そんな彼らが、私がそこに住んでおらず10月7日を経験していないとして自分たちの心情など分からないと言ってきたのです…それは私にとってこれまでにない経験で右翼の若者に出会うことよりも衝撃的でした」

いまバルトフ教授は、イスラエルの反撃は最初からジェノサイド作戦だったのではないかと思っているという。