トランプ次期大統領の仰天人事やロシアの新型ミサイル発射情報など目まぐるしくニュースが飛び交う中、報じられることが少なくなっているイスラエルによるガザ地区への攻撃。
人道状況は改善されてきたとアメリカ政府高官の発言はあるが、現地から離れた私たちには見えていない現実があるようだ。ガザ地区の死者数だけとってみても、ガザ保健当局の発表では約4万4000人となっているが、イギリス・ガーディアン紙の推計によると死者は既に約33万5000人に上るとされる。果たして、実情は…。
「遺体がバラバラなので70㎏分(の肉片)を集め1人と数えた」
ロシアとウクライナとの戦闘状態とは違いガザ地区で続いているのはイスラエル軍によるほぼ一方的な攻撃だ。今月17日にも北部への空爆で子どもを含む72人が死亡したと伝えられる。現地の状況がなかなかつかめない中、番組ではガザ地区で活動する二人の医師に話を聞くことができた。
ひとりは先日イギリス議会の公聴会でガザの現実を証言したイギリス人医師・マモード氏。
今年8月中旬から約1か月間ガザ地区の病院で治療活動に当たっていた彼は、目の当たりにしたガザ地区を“まるでヒロシマ・ナガサキを彷彿とさせる光景”と表現した。

ガザ地区で治療活動に当たった外科医 ニザム・マモード医師
「心をかき乱されたのは…、難民キャンプに爆弾が落とされ、そのあとドローンが降りてきて……、ドローンが狙ったのは民間人・子どもたちだった。ドローンが発射するのは小さなサイコロ上の弾丸で…、私は子どもたちの腹部から何個もそれを取り出した。私が手術した一番小さな子は3歳だったと思う。スナイパーに狙撃されたのを何人も見た。
頭に銃撃1発で他に傷がない。(流れ弾などではなく)イスラエルのスナイパーに狙われたことは明らかだ。そんなことが毎日続いた…(中略)私はこれまで世界各地の紛争地域で活動してきた。ルワンダ虐殺の時も現地にいた。しかし、ガザほどの状況は見たことがない」
マモート医師は英国紙の取材に「遺体がバラバラなので70㎏分(の肉片)を集め1人と数えた」と答えている。
証言を聞いて明治大学の特任講師ハディ ハーニ氏は「筆舌に尽くしがたいが、今に始まったことではない」と前置きして語る。ハディ氏はパレスチナ人と日本人を両親に持つ。

明治大学 ハディ ハーニ特任講師
「今回の10月7日以降のガザへの攻撃は第5次。これまで少なくとも4回ガザに対する大規模な攻撃が行われ、その度に国際的な人権団体や監視団が民間人への意図的な殺害などを報告してきた。それを国際社会が放置してきた結果がこれなんだろうなぁと…」
 
   
  













