「ヘリが日没になっちゃうと…」

「当初は、暑い中で、外に公園とかもあるんですけども、やっぱり暑い。それで、仕事上の大間ダムとかの設備を利用していて、そこがいいんじゃないかと思って、(取り残された人に)『大間ダムの方に行ってください』と」(シーテック大井川支店 高田直巳さん)

冷暖房や飲料水などがある関連会社の中部電力の保守作業場を開放することを速やかに交渉し、安全に待機する場所も提供しました。連絡役の山下さんは「連携」がとても重要だったと振り返ります。

「日没との、時間との戦いでした。ヘリが日没になっちゃうと飛ばないということだったので、あっちこっちから電話あったりして。なんとか夕方5時半ぐらいには全員救出できた。とにかく、連携が大事」(シーテック大井川支店 山下利治さん)

午前10時頃の一報から約8時間。2人の機転が34人の命を救ったのです。

直接、2人の元を訪ね、感謝状を手渡した静岡県警の津田隆好本部長は「(発災当時)一体何人ぐらい帰れなくなってるのか、よくわからない状況だった。お二人の活躍で大体の規模が見えた。今回、非常に機転を利かせていただいて、自主的に活動をやってもらったというのは大変ありがたく思っている」と2人の行動を称えました。

「普段から健康とか、命が大切だと(会社でも)言われていたので、それを頭に置いて、その思いが少しで観光客の皆さんに伝わって、いい方向に向かった」(高田さん)