父が安楽死 涙止まらずとも「納得」

安楽死を遂げる日を迎えた。プライシックさんは「もう旅立ちたい」という父親の願いを受け入れたとき、涙が止まらなかったという。当日の朝は涙を隠して「今日は大切な日よ。自分で決めたんだものね」と声をかけると、父親はその手を優しく握ってくれた。
昼食では大好きなチーズを目を細めながら口にした父親。ソファに腰を掛けて、安楽死団体が処方した致死薬を一気に飲み込んだ。直後にテーブルを叩いて「ワイン」と大声を上げ、用意されていた好物の南フランス産の赤ワインを口にする。その数分後、安らかに息を引き取った。
「父が亡くなってしばらくは、心の整理がつきませんでした。しかし、時間とともに幸せな死の迎え方だったなと感じることができ、家族も納得できるのであれば安楽死は間違ってなかったなと思うようになりました」