包丁を抜くと「水道水のような血の音」
弁護人:
「殺害前日の4月16日は」
直哉被告:
「JUNに『父の殺害を考えていたが、疲れたので終わりにしようと思う』とLINEした。JUNは『一時の気持ちや考えで行動を起こすのは良くない』と言ってきた。私はJUNが助けてくれるのか心配になり、『父を殺害するときにJUNの力で手助けしてほしい』と送った」
弁護人:
「午後9時以降は」
直哉被告:
「父の自宅で敦子、長男とマージャンをした」
弁護人:
「その日に隆一さんを殺せると思っていたのか」
直哉被告:
「マージャンのときは全員同時に帰ることが多いので、厳しいと思っていた」
弁護人:
「17日未明にマージャンが終わった時は」
直哉被告:
「珍しく敦子と長男が先に帰った。『今やらなかったらもうやれない』と思い、父を背後から刺した」
4月17日未明、隆一さんの自宅の玄関先で直哉被告は隆一さんの腰を刺した。致命傷になることは、事前のネット検索で知っていた。20センチの刺身包丁は刃が見えなくなるほど深く突き刺さり、包丁を抜くと、水道水の蛇口を開けたときのような音がしたという。親子は最期の会話を交わした。