聞かされた自分の殺害計画「死ぬまで崖から突き落せ」

2022年4月ごろ、直哉被告の実母は被告らからの逃亡を決意した。

検察:
「なぜ逃げようと思ったのか」

実母:
「敦子たちといるのが嫌になった。あとは敦子の実姉から、敦子たちが私を殺そうとしていると聞いたから」

敦子被告の実姉は、被告らとともに美人局をして2023年12月に詐欺と詐欺未遂の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。被告らと近しい関係の実姉だが、危険と分かりながらも実母を助けようと動いたのだ。逃亡する資金が足りなかった実母は、元夫の隆一さんに助けを求めた。

検察:
「どのように頼んだ」

実母:
「敦子の実姉の家に隆一くんを呼び、私と隆一くん、敦子の実姉夫婦の4人で話をした。そこで私を殺そうと敦子たちが相談しているところの録音を聞いた」

検察:
「録音の内容は」

実母:
「『旅行に誘い、そこで崖から突き落とそう』『それでもヒクヒク生きているなら死ぬまで繰り返そう』と話していた」

実母は、自分が殺される理由として「美人局の口封じ」や「保険金目当て」を挙げた。隆一さんから20万円ほどを受け取り、2022年5月7日、実母は県外に逃亡した。逃亡先では仕事を見つけ、貧乏ながらも普通の生活を送れていることが「幸せ」と実母は語った。実母が逃亡した約1年後、隆一さんは殺害された。