敦子は「いつも安全な場所にいるずるい人」
検察は最後に、被告らへの思いを尋ねた。
検察:
「敦子被告に言いたいことは」
実母:
「あなたは自分の安全のために周りの人を『駒』にしていた。あなたはずるい人です。頭が良い人でもあったが使い方を間違えていた」
直哉被告の実母は声を震わせ、ところどころ言葉を詰まらせ、直哉被告への思いを口にした。
検察:
「直哉被告に言いたいことは」
実母:
「隆一くんは直哉をとてもかわいがっていた。そんな父親に対して…、なんてことをしたのか。自分の罪に向き合って立ち直って欲しい」

実母が話す間、敦子被告は落ち着いた様子で前を向いたままだった。それと対照的に直哉被告は、実母の話を聞きたくないのだろうか、耳をふさいだり、頭を抱えたりと終始落ち着かない様子だった。後の公判で直哉被告は「実母の話は嘘ばかりで悔しかった」と話していた。