「玉木さんの強みは裏で交渉する必要がない」

不倫でケチがついたものの、国民民主党が国会において自民党を中心とした与党でもなく、立憲民主党と手を組む野党でもない、第三極として存在感を持っていることは変わらない。

かつて、国民民主党同様に真に小さな党が与党でも野党でもない第三極として輝いたことがある。『みんなの党』といった。

2010年の参院選で10議席を獲得し躍進。与党に連立入りを打診されたが、これを拒否した。その代表だった人物から玉木代表にアドバイスがあるという…。

元『みんなの党』代表 渡辺喜美氏
政策実現っていうのは私がさんざん言ってた言葉で、懐かしいなって思いがします(第三極として注目されていた頃)実は第1次安倍内閣の安倍さん、菅さん、塩崎さんと私の4人で年に2~3回居酒屋トークしたりゴルフしたりしてきた。特定秘密保護法案の修正案も、その会がたまたま企画されたんでそこで出したんですが、その時のやりとりが誰が漏らしたかは別として表に出ちゃった。江田さんたちに漏れちゃった…」

党の代表が裏で政権与党に通じていた。これに党内は反発。実質ナンバー2だった江田憲司氏をはじめとした14人が離党。翌年『みんなの党』は解散する。

元『みんなの党』代表 渡辺喜美氏
「内内で会っていた。…どうも安倍さんと渡辺近いな…何かありそう…党内に疑心暗鬼が生まれた…玉木さんの強みは裏で交渉する必要がない。私のように陰での交渉じゃなくて堂々と交渉できる。この強みを生かして真正面から協議をやって、そのプロセスを党内外に周知徹底してもらって…着実に実績を作ってもらいたい。私の失敗の教訓から…」

渡辺氏は最後に、自民党は来年7月、衆参ダブル選挙をする可能性が高いと話した。自民党はダブル選挙で負けたことがない経験則があるからだ。そのことからも国民民主党が自民に寄り過ぎると不利になる可能性もあるという。さらに…

元『みんなの党』代表 渡辺喜美氏
「大阪万博も控えてますのでそれにかこつけ維新の会を丸ごと取り込んじゃう(ことだってやりかねない)だからキャスティングボートが少なくとも参院選までは続くと思ったら大間違いで、維新がひっくり返って与党と与したりすると国民民主のレバレッジ(増大効果)は効かなくなる。28人が28人のままで終わっちゃう」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「経験者ならではの非常に意義深いアドバイスです。我々もこれを頭に入れてやってますので…。“誰とやるか”ではなく“何をやるか”一つ一つ間合いを持って…」

さて不倫が“いい薬”となるか、致命傷となるか、ここからが玉木代表の正念場だ。

(BS-TBS『報道1930』11月12日放送より)