鉄腕アトムのように ロボットに情熱が宿る時代へ

ファンさん
「ソフトバンクグループの今後と、AIグリッドが日本にもたらす変革について聞きたいと思います」

孫さん
「これまで私たちの基地局は主に通信やインターネット閲覧のために使われてきました。しかし、今はインテリジェンスネットワークによって、お互いを密につなぎ、一つの大きな脳のようなものを作り出し、日本のインテリジェンスなインフラを形成します」

ファンさん
「それは素晴らしいことです。もちろん、ソフトバンクの利用者やYahoo! Japanのようなサービスにも活用でき、ユーザー体験をさらに向上させることができます。私が非常にワクワクしているのは、このリソースを研究者や学生、スタートアップ企業にも開放しているということです」

孫さん
「あなたのサポートをいただけたおかげで、日本で最大のAIデータセンターを作ることができます。そして、日本の研究者、学生、スタートアップに向けて、より良いアクセスと計算を支援したいです」

ファンさん
「インフラ建設は非常に資本集約的であり、あなたは日本に大きな賭けをしようとしていますね。以前、日本の電子製品の技術は世界をリードしていました。実際、家電製品はその一例です。ただ、IT産業が登場し、ソフトウェアが登場し、この30年間は、混乱があったと思います。西洋や中国でソフトウェア産業が大きく成長する一方で、日本はもっと積極的に進めることができたかもしれません」

孫さん
「あの頃、そしてある程度は今も、大企業やメディアなどの中では“ものづくり”つまり、物理的な製品が価値あるのだとされ、ソフトウェアはあくまで仮想的なものと考えられていました。日本ではこのような考え方が長い間続いてきました」
「そのために若い人たち、特にネットバブル崩壊後の世代が批判され続け、いわば罰を受けたような状況になり、若い才能が情熱を失い、気力をそがれてしまいました」
「しかし、ロボット工学にAIを持ちこみ、私の好きな漫画、たとえば鉄腕アトムのように、ただの筋肉や力だけではなく、ロボットにも情熱が宿り、友人としての存在になるような時代が近づいています」