やりたいことがある一方で、大変なこともあります。

中さん

「700メートル先は2号線方面って書いてあるね、700メートル登るのかな、1キロ登るってきついね」

道に迷ったり、車いすが通れる歩道がなかったり、アップダウンが激しい険しい道に遭遇したり。そういう時は危険な道を避けて、先に進みます。

中さん
「山口県の道、歩道が、すごく走りやすい。自分的にはすごく楽しく走れました。山口県に入った途端、みなさん声かけてくれるんですよ、車の中から頑張ってとか。なんかね、やっとなんか認めてもらうじゃないけど、見てくれている人がいると思ったら山口県最高と思っちゃいましたね」

下関市のコンビニエンスストアがこの日のゴールです。背負ってきたテントに泊まり、明日はここからのスタートです。

旅の「楽しみ」関門トンネルへ
翌日、この日は楽しみにしていた関門トンネルを目指します。

中さん
「やっと9号線入ったよ」

サポーター
「じゃあね、いってらっしゃい」

中さん
「安全運転でね、気をつけて。じゃあ、いってきます」

関門トンネルまで、海沿いの道を進みます。北海道の友人が勧めてくれた瓦そばを、食べられたらいいなと話していました。

出発からおよそ1時間、関門トンネルに到着しました。福岡県側からトンネルを渡って以来、およそ1年ぶりです。山口県でやりたかったことができました。トンネル内でも中さんに声をかけてくれる人がいました。

「普通の車いす」に込めた思い
中さんが競技用ではなく、「普通の車いす」を使っているのには、障害がある人へのメッセージが込められています。