がん治療に革命 “免疫を使ってがん細胞を攻撃”
本庶さんの研究グループは、免疫細胞に「PD-1」というブレーキ機能があることを発見。このブレーキを外す薬「オプジーボ」を開発しました。
免疫を使ってがん細胞を攻撃する研究は、100年以上前から注目されながらも成功した例がなく「がん治療に革命をもたらした」と称賛されました。
(本庶佑さん ※2015年取材)「この薬はどのがん種にも効く。(がん治療が)根本的に変わると臨床の医師たちは感じています」
本庶さんの研究室には32年前、ノーベル賞受賞につながった「PD-1」発見を記録したノートが残っています。この発見を機に世界中で がん免疫治療薬の開発が進み、今ではがん治療に欠かせない薬となりました。
その一方で…
(本庶佑さん ※2020年)「特許の使用料について、非常に大きな問題が存在して、残念ながら誠意ある回答を得られず、やむなく訴訟を決意するに至った」
2020年、薬の開発を共に進めてきた大阪の製薬会社を提訴。特許使用料の割合をめぐり「企業は研究者に対し充分な対価を支払うべきだ」と、220億円あまりの賠償を求めたのです。