世界中を巡った経験を持つ中川製炭代表の中川宏さん。

縁あってたどり着いた新潟県の守門村(現 魚沼市)に移住した後は製材所で働いていましたが、ある時に興味のあった炭焼きを体験。
その魅力にはまり、仕事とすることに決めたのが8年前。

「一番魅力的だったのは、炭焼きって“無駄がない”んですよね」
「製材所と言っても材木屋さんみたいなもので、そういう所にいると“規格外”というものがいっぱい…、そういうロスがちょっと嫌なところがあって」

物を無駄にしない』。
木炭の原料の半分以上は、魚沼市の里山整備事業で“間伐”された木材です。

「間伐と言っても、切っただけで森に捨てるというのは多々あること。それを炭に出して活用できるということであれば、地域にとっても人にとっても、ものすごく有効になるのではないかな」

煙も、冷やすと肥料となる『木酢液』となって有効活用できるそうです。

一方で、地域の資源を利用して高品質な炭作りに励む中川さんら『魚沼木炭』を取り巻く状況は決して芳しくありません。
しかし今、新たな“就労支援”の先として注目されています。

「この業界って人がいないんですよ。もう、超高齢化で…。今も市内で黒炭焼いているのは僕1人です」

ところが中川さんは、将来的には窯を“増産”する計画を持っているのです。