被告は、少しうつむいて入廷したものの、初公判の時と同じく落ち着いている様子だった。

裁判長:
「前回の公判で犯罪の成立を認めるという主張をしていますが、変わりありませんか?」
被告人:
「はい。間違いありません」
裁判長:
「最後に述べること、何か付け加えたいことはありますか?」

被告は「前回の公判では検察官の質問に動揺してしまい、はっきり言えなかった」と前置き。続いて早口で、しかしところどころ慎重に言葉を選びながらこう述べた。