■「内緒で貯めていた貯金を勝手におろされて献金されてしまった」

9月4日、新宗教の宗教2世たちが集い悩みなどを語り合う会合があった。そこにも祝福2世がいた。

旧統一教会“祝福2世”の女性
「正直、2世で生まれて、いいことなんかひとつもなかった。
(中略)私が教会と違う道を行きたいと言ったとき、両親にもの凄く怒られて『統一教会があったからこそ生まれてきたのに、教会を否定したら自分の存在を否定することになるじゃないか』と言われ絶望した」

他にも問題を抱える2世は少なくない。

「自分の奨学金を親が勝手に献金に回した」という30代の祝福2世もいた。スタジオの小川さんも、高校時代働いた給料も、卒業後の2年間の給料もすべて両親に取られ献金に回された。

旧統一教会を脱会した宗教2世 小川さゆりさん(仮名・26歳)
「自分の稼いだお金も使わせてもらえなかった。成人式にも、田舎だから車を買おうとしたけれどダメだった。
(中略)ストレスがピークに達し、心を病んでしまい精神病棟に入院した。その入院中、内緒で貯めていた貯金を母親に勝手におろされて献金されてしまった…
(中略)それでも親を信じたい気持ちが少しあって脱会はできなかった。ところがある日、心を病んで部屋に引きこもっている私を親が“働かない”“お金を入れない”厄介者と思っていることを聞いてしまった。それで我慢の限界が来て、20歳で家を出て、脱会した」

日本に約5万人の2世がいると教会側は言うが、実は、教会に通わない人が増えているという。2014年のデータでは、2世大学生のうち教会に残っているのは30%だけだ。

教会にしてみれば、2世はいわば“純粋培養の信者”であり、献金を計算できる存在のはずだ。番組のニュース解説、堤伸輔氏があえて乱暴な表現でわかりやすく言ってくれた“手っ取り早い金蔓”と。
しかし、SNSが発達した社会で、教会や両親の教育が世の中とはかけ離れていることを知り、両親との間の葛藤や悩みを逆に深くする若2世も増えることになる。どうすれば救えるのか…。
 
小川さんはひとえに、今この問題が熱いうちにしかできないだろう高額献金の禁止や、団体規制の法律の制定を急いでほしいと一緒に出演した葉梨法務大臣に求めた。今回、関係省庁を取りまとめて旧統一問題に取り組む組織の長にいる葉梨大臣。果たしてその答えは。


葉梨康弘 法務大臣
「家庭を破壊してまで 献金を要求するっていうような宗教団体は他にあまり知りません。ですから宗教団体というよりもやっぱり本当に献金を要求することによってその人の家庭とか子供を破壊してしまっていいんだろうか…ですからそういう意味で今回自民党も新しく統一教会との関係を断つということになったわけですが、そのような献金を要求してたという実態をみんなが知らなかったということはその 意味では私も 党としては反省をしなければいけない点はあるだろう というふうに思います」

このように述べたうえで団体規制や献金額規制など踏み込んだ対策について、こう締めくくった。

葉梨康弘 法務大臣
「今あの私は政府の閣僚の立場なので、方向性を今示すというよりは、むしろやはりいろんな方々からご意見をしっかりと承ってアンテナを広げていく段階だというふうに私は思っています。ただいずれにしてもこの 20年間この問題が放置されてきたという問題があります。しっかりアンテナを広げていくということが今最大限、注力しなければいけないことだと思っています。(法規制については)立法理由を積み上げていかないと結社の自由にも関わる問題でもありますから、そういった意味で私たちとして今まず現行法でどういう形の解決ができるのかを検討しています。しかし(法規制の)将来の検討については可能性として否定しているものではない、必要であればということです」

(BS-TBS 『報道1930』 9月14日放送より)