「103万円の壁」見直しで「4兆円減収」も…地方から懸念の声

年収が103万円を超えると所得税がかかる「103万円の壁」。

国民民主党はこの“壁”について、パート従業員らの“働き控え”を招いているとして、178万円に変更するよう訴えています。

8日、自民党と国民民主党は本格的な政策協議を始めますが、“壁の見直し”をめぐり、地方から懸念の声も上がっています。

7日、全国知事会を代表して宮崎県の河野知事は赤澤経済再生担当大臣を訪ねました。

全国知事会 宮崎県 河野俊嗣 知事
「地方としては場合によっては、減収につながりかねないというところを懸念しております。物価高対策・地方創生いろいろやっていくべき課題が山積をするなかで、減収ということになれば、地方にとっても非常に大きな影響になります」

「103万円の壁」を178万円に見直した場合、国・地方あわせて7~8兆円程度の税収の減少が見込まれています。

その場合の地方への影響について、5日、村上総務大臣は…

村上誠一郎 総務大臣
「一定の仮定を置いて機械的に計算すれば、地方の個人住民税だけで4兆円程度の減収と見込まれております」

さらに、専門家からは…

大和総研 是枝俊悟 主任研究員
「大幅に財政に穴をあけるような減税は継続性にも疑問が持たれますし、将来の増税や社会保障給付の削減を予期するような形で消費が冷え込むということは十分ありえます。

“働き控え”を生じさせている要因の多くは、社会保険の106万円・130万円の壁。単に手取りが減るというだけでなく、社会保障給付の輪の中に加わるということも併せて考えたい」