外部プラットフォームを通じた視聴者開拓を今後の重要戦略に
境 WOWOWは、フジテレビ、TBS、日本テレビの3社が主要株主となっていますが、プロパー社長就任により、これらの地上波放送局との関係に変化はあるのでしょうか?
山本 WOWOWは地上波放送局が主要株主ではありますが、ビジネスモデルが大きく異なるため、これまでも一定の自由度を持って経営してきました。
テレビ業界全体が厳しい状況にある中、我々も放送ビジネスだけでなく、新たな収益源を模索する必要があります。その過程で、親会社である地上波放送局と協力できることは協力していきたいと考えています。
境 具体的にはどのような協力を考えていますか?
山本 例えば、TVerのような外部プラットフォームも、今後の重要な戦略の一つとして位置付けています。
TVerは、特にコネクテッドTVの普及とともに、重要性を増して非常に頼もしいプラットフォームに成長しました。WOWOWもTverを通じてコンテンツを提供し、新たな視聴者層の開拓につなげていきたいと考えています。
TVerでのコンテンツ視聴の3割超がコネクテッドTVからのアクセスだと聞いています。我々はこの流れをしっかりと捉え、TVerを通じてWOWOWの魅力を伝えていきたいと考えています。
境 なるほど。TVerを通じた展開は、地上波放送局との協力の一例ということですね。他にも何か考えていることはありますか?
山本 コンテンツの共同制作も検討しています。WOWOWには長年培ってきた質の高いドラマ制作のノウハウがあります。一方、地上波放送局にはより幅広い視聴者層へのリーチがあります。この強みを組み合わせることで、より多くの人に楽しんでいただけるコンテンツを生み出せる可能性があるんです。
ただし、重要なのは我々の独自性を失わないことです。WOWOWには、WOWOWにしかできない挑戦があります。その独自性を保ちつつ、協力できる部分では積極的に協力していく。そんなバランスを取っていきたいと考えています。