円安に振れる株価「かなり長期的に振れ幅の大きい状態が続く」

井上キャスター:
どうしてもアメリカに引っ張られますが、トランプ氏だと不確実性があって、わからないところが多くあります。

株価は上がるかもしれなく、今は円安に振れています。でも、トランプ氏の「アメリカファースト」で考えると、ドル安に持っていきたい。この円安がそのまま続くのかどうかもわからないという状況です。

明海大学教授 小谷哲男さん:
かなり振れ幅はこの先大きいと思います。トランプ氏が勝ちそうだということで株が上がり、さらに円安が進んでいます。

関税をこのまま増やしていくと、実際にアメリカ国内でさらにインフレが進んでいきます。経済が停滞し、企業の売上が下がるということもあるでしょう。

そして金利が上がるはずです。円安はさらに進みますが、アメリカ製品を海外に売るためには、ドル安に持っていかなければなりません。かなり長期的に振れ幅の大きい状態が続くのではないかと思います。

ホランキャスター:
トランプ氏はEV推進に慎重と出ていますが、テスラのイーロン・マスク氏ともかなり関係が密接ということを考えると、テスラはEV事業を行っていて、本当に慎重になるのかどうかもわからないですよね。

明海大学教授 小谷哲男さん:
EVについては、おそらくアメリカの企業の作るものは守り、外国の企業が作るものは規制をするというような形で、アメリカ国内の産業を重視する形になっていくのではないかと思います。

「アメリカファースト」で1ドル160円の可能性

井上キャスター:
みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストによると、ハリス氏が勝ったら「ゆるやかな円高」、トランプ氏が勝ったら「急激に円安」で、1ドル160円の可能性もあるということです。

酒井主席エコノミストは、「急激に円安になると、輸入品が高くなり物価高に。家計への影響がさらに大きくなるのではないか」としています。

明海大学教授 小谷哲男さん:
日本政府は、トランプ氏の1期目のときの人脈を駆使して、少しでも日本に対する悪影響が出ないように側近から固めていくことになっていくと思います。

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<プロフィール>

小谷哲男さん
明海大学 教授
アメリカの外交・安全保障政策に詳しい
日本国際問題研究所 主任研究員