■遅延によるお詫び 金券や現金がもらえるケースは?

ーーところで、今回、15時55分発予定だった便の出発時刻が17時45分に遅れたことによって、出発空港で使える1000円分の食事券のクーポンと現金1000円をいただいたんですが、これも細かいルールが決まっているんですか?

全日空
「これは規定で定めている指標がありまして、機材故障など弊社の都合によるものか、天候などの不可抗力によるものかによって金額は変わってきます」

ーー何時間でいくら、とか決まっている?

全日空
「お詫びとして大体どれくらいの遅延でいくらお支払いする、などの指標がございますが、細かい時間や金額は内規になりますので…」

ーー教えてもらえないんですね…。

全日空
「すみません…」

ーークーポンと現金半分ずつだったことが不思議だったんですが。

全日空
「現金にするかクーポンにするかは各空港で責任者が判断します。クーポンは出発空港でしか使用できないという制約がありますが、例えば出発時刻までかなり時間があって、店舗も多数空いているのであればクーポンの方が早くお渡しできる利点がありますので」

ーークーポンの方が早く用意できる?

全日空
「各端末で必要な分発行できますので」

ーーなるほど。千円札をいっぱい配る、となったら現金の調達は大変なんですね。

クーポンと現金1000円ずつだった理由がわかった


■飛んだ飛行機が目的地に降りられないケース どれくらいの頻度で起きる?

ーーまだ台風シーズンですし、天候による遅延や欠航なども多い時期かと思いますが、乗客の方にお願いやアドバイスなどありますか?

全日空
「基本的な考え方として、我々は『わかっていることに関してはなるべく早くお伝えする』ということにしているので、ツイッターやウェブサイトでできるだけ情報を発信するようにしています。
我々も“飛ばしたい”という思いがあるので、ギリギリまで待ちたい気持ちもあるんですけど、ある一定の時間を区切って、その時持っている情報で判断しましょう、ということになってきていますので、ぜひウェブやアプリで情報を早めに得ていただけたらと思います」

ーー今回のように飛んだ飛行機が目的地に降りられずに引き返したり、別の空港に降りるというケースはどのくらいの割合で起きているんですか?

全日空
「パーセンテージでいきますと、年間0.03%〜0.04%ですね。平均すると4日に1便あるかないかというくらいです。ただ、そういうことがある日は集中しますが」

■結局のところ すべて「ケース・バイ・ケース」

0.03%と聞いて、貴重な体験をしそびれて惜しかったような気もしてくるから不思議だ。

今回、天候理由で出発が遅延、羽田に降りるはずが、もしかしたら関空に…という経験をもとにお話を伺った。ただ、どの場合もケース・バイ・ケースになるので、降りた空港で最適な方法を案内してもらってほしいとのことだ。

全日空の方の「イレギュラーの場合は何をやっても正解にはならない。毎回悩ましさがあるし、これで良かっただろうかっていうのは常にずっと残ります」という言葉が印象的だった。

※記事の内容は全日空の場合の対応例で、航空会社により異なります。