衆院選で躍進した国民民主党が主張するいわゆる「年収103万円の壁」の問題。与党側は政権運営の協力を得るため、受け入れる方向で調整を進めていますが、根本的な解決にはつながらないと疑問の声も上がっています。
衆院選で惨敗し、少数与党に転落した自民党。野党の協力がなければ予算案や法案を成立させられない政府与党が、さっそく迫られている問題が「103万円の壁」です。
国民民主党 玉木雄一郎代表(先月26日)
「特に私たちは103万円の壁の問題を、これを今回絶対やりたいと思ってる」
国民民主党は所得税が非課税になる対象を103万円から178万円に引き上げると訴え、若い世代を中心に支持を得ました。
週末に行ったJNNの世論調査でも、この「年収の壁」を引き上げることに▼「賛成」と答えた人は66%、▼「反対」は20%でした。
ただ、専門家は「103万円」の引き上げだけでは根本的な解決にならないと指摘します。
みずほリサーチ&テクノロジーズ チーフ日本経済エコノミスト 酒井才介氏
「103万円を178万円まで引き上げると労働供給は増えるのかということですが、ここは慎重に考えた方がいいのかなと思います。106万円あるいは130万円という壁が社会保障制度の中にもあるわけです。したがって税制だけではなくて、社会保障制度のほうにも壁がある」
働き控えの原因には、「103万円」だけではなく、「106万」「130万」という社会保険の壁もあり、むしろこちらが「働き控えの原因の本丸」だと指摘します。
みずほリサーチ&テクノロジーズ チーフ日本経済エコノミスト 酒井才介氏
「概算ですが、130万円の壁を超えて働く方は手取りで保険料が発生することによって、だいたい年間15万円以上手取りが減ってしまうという意味において、就業調整(働き控え)につながりやすい本丸の制度になります」
▼従業員51人以上の企業では年収106万円、▼50人以下の企業でも年収130万円から社会保険料の支払いが発生し、手取りが減ることになるため、働き控えの解消につながりません。
石破総理(周辺に対し)
「人手不足のなか、働きたくても働き控えをしている人たちには労働市場に出てもらえるようにする」
石破総理は周囲に対し、改革に意欲を見せていますが、政権幹部は…
政権幹部
「国民民主党の要求はある程度受け入れざるを得ないけど、“社会保険料の壁”の見直しまではやらないだろう」
少数与党となった石破政権は、野党側の協力を得ることが出来るのか。難しい舵取りを迫られています。
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