費用とタイムリミット
卵子凍結にかかる費用は病院や卵子の数などによって異なるものの、まず採卵から凍結までに約30~40万円。年数に応じて保管にも費用を要す。このほか、凍結した卵子を使用して顕微授精し、受精卵を育てて子宮のなかへ戻すのに約30万円かかる。
年齢制限はないが、採卵時の年齢は36歳未満が望ましいとされていて、凍結した卵子の使用については、高齢出産による合併症のリスクを考慮し、45歳以上は推奨されていない。
「卵子凍結」に対する自治体の対応
2023年10月、東京都は「子育て支援策」として、健康な女性が卵子凍結をする際の費用助成を始めた。対象は都内に住む18歳から39歳の女性。
卵子凍結をした年度に上限20万円を助成、さらに卵子の保管更新の際に都の調査に回答すると1年ごとに2万円を助成するというものだ。また、凍結した卵子を使って妊娠に向けた治療をする際にも、妻の年齢が43歳未満の夫婦を対象に、1回につき上限25万円を助成する。

東京都の小池百合子知事は「子どもを産み育てたいという希望はあるが、様々な事情によってすぐには難しい方にとって、『卵子凍結』は将来の妊娠に備える選択肢の一つ」としている。