「役者はわざと濁してゆく」柳検校をリアルに表現し百閒の世界へ誘う

ー筆者(小林章子:アナウンス業務も担当)が朗読する際は、聴く人が想像する余地を残すため、自分の個性を消すように心がけていますが、俳優の皆さんの朗読はまったく違うアプローチだと感じます。

(原田さん)
「役者が朗読するということは、人間を浮き彫りにするということです。アナウンサーが一言ひとことを誠実に朗読するとしたら、役者はその逆で、わざと濁してゆく。そうすることで立体的な人間像を描いてみせることが役者の仕事なのです」

ーかつて、三島由紀夫が「柳検校の小閑」を傑作と評しています。百閒のふるさと・岡山で朗読するお気持ちは?

(原田大二郎さん)
「岡山は私にとってもふるさとのような存在の街で。明治大学に通っていた頃、岡山大学に通う友人がいて、帰郷するときに岡山で合流して、一緒に郷里の山口へ帰るとか、昔からよく来ていたんです。同じ中国地方ということで言葉も似ているから、兵庫県から岡山県に入ったらもうふるさとに帰ったような気がしていましたね。

そんな岡山で私が百閒を朗読しますから、ぜひ聴きにいらしてほしいです」

「原田大二郎 内田百閒を読む」は、岡山市北区中央町の蔭凉寺で12月14日(土)14時から開かれます。

料金:2500円(当日3000円)
【問合せ】蔭凉寺 Mail: inryoji@mac.com TEL 090-1003-1481