JX通信社とTBSで実施した独自のアンケートをもとに今回の衆院選における有権者の投票行動を分析したところ、年代によって投票先に変化がみられることが分かりました。JX通信・米重克洋さんの解説です。

「国民民主党」は現役世代の支持を獲得

JX通信社・米重克洋さん:
全国の有権者を対象に投票1週間前にインターネットで調査をしたところ、20~40代の「国民民主党」に対する比例投票の意向が非常に高いことがわかりました。

野党第一党である「立憲民主党」を上回り、さらに若い世代から比較的、支持が強い「維新の会」も上回っています。

一方、「立憲民主党」の支持層は50代以上が多く、特に70代以上の割合が非常に高くなっています。

「自民党」や他の政党については、年齢層による支持の構造にばらつきが少ないものの、「自民党」は全体として若干減り、「立憲民主党」は小選挙区を中心に大きく伸ばしていくと思います。

今回、「国民民主党」が議席を大きく伸ばす見込みです。その原動力が20~40代、50代の現役世代の支持にあることがわかりました。

TBS政治担当 石塚博久 解説委員:
国民民主党は若い人に非常に受けているということですね。玉木雄一郎代表が「賃金を上げる、手取りを増やす」というキャッチフレーズを全面展開しています。玉木代表はネットも好きで、それもうまくいったということですね。

篠原梨菜 キャスター:
一般的に若年層の投票率が低いといわれていますが、その中で国民民主党の支持が比較的高いのがこの若年層です。これが情勢につながっているという見方はできますか?

JX通信社・米重さん:
間違いなく若い世代での支持獲得が「国民民主党」の比例投票先、支持獲得に繋がっていると思います。世代別の投票率でいうと、前回の総選挙で20代は60代の半分強ぐらいしか投票に行きませんでした。

これはかなり低いのですが、まとまったこの支持のボリュームを獲得していくと「国民民主党」は、比例代表を中心に議席を獲得していくことができる。

ただ今回は小選挙区で候補者をあまり擁立できなかったので、今後は小選挙区でもっと立てることが増えてきた時に、他の野党と本格的に競合していくこともゆくゆくはあり得るかもしれません。

篠原キャスター:
「立憲民主党」は年代が上がっていくほど占める割合が大きいようです。

石塚解説委員:
世代が高い方は自民党を支持するだろうと思ったのですが、今回は「立憲民主党」を支持する方が多く、意外でしたね。やはり裏金問題などに怒りを感じているのでしょう。

JX通信社・米重さん:
政治とカネについては政治意識の高い高齢層、特に男性有権者に対して非常に嫌気されていることが様々なデータからわかっています。やはりその部分が「立憲」が、「自民」を上回る結果に繋がっていると思います。