2024年夏、歓喜に湧いたパリオリンピック™。そして、陸上選手にとって次の大舞台は東京だ。2025年9月に行われる東京世界陸上に向け、各選手が再び走り始める中、陸上400m代表の佐藤風雅(28、ミズノ)も、休むことなく次に向かっている。

佐藤は、パリオリンピック™で男子400mと男子4×400mリレー(マイルリレー)に出場。個人では、予選敗退。同種目日本勢初のメダルが期待されたリレーでは20年ぶりとなる決勝進出を果たしアジア新記録をマークしたが、結果は6位とメダルには届かなかった。

帰国後、悔しさをにじませながらも、佐藤はさらなる高みを目指し闘志を燃やしていた。

「海外選手にボコボコにされたなと個人でもマイルでも思っている。どうやってあそこの差を埋めていこうかなとモチベーションが非常に高く、いろんなアイディアが湧いてきて早く練習したいなという気持ちがあります」

2023年の世界陸上ブダペスト大会で44秒88と日本歴代3位の記録を出し、28歳で初のオリンピック出場を果たした”遅咲きのスプリンター”。茨城県出身で、中学時代は野球部に所属、校内で行われていた陸上大会で400mを走ったのが、400mとの出会いだった。

佐藤は、「中学1年生、2年生の時は高跳びを選択していたが、中学3年生の時になぜか400mを選んでしまった。グラウンド1周なんて大したことないだろうと、あの頃は正直400mをなめていた」と、当時を振り返り、陸上大会での種目選択ミスが自身を”世界の舞台へ導く競技”との出会いだったこと明かした。

いざ、400mを走ると野球とは比較にならない辛さを味わった。しかし同時に、同種目で1位になったことで”スポーツで1番になる喜び”も得た。これが佐藤が400mを始めたきっかけとなったと言う。