(4)事件前後の被告人の言動
■検察側の主な主張
・一般質問の原稿は完成していた
・パソコン起動
・文字の入力なし
・妻の死亡直後から不倫相手だった女性に交際・結婚を執拗に迫る

■弁護側の主な主張
・原稿は完成していなかった
・アリバイ工作はしていない

事件前日の夜、同僚議員と酒を飲んでいた丸山被告。

検察側は丸山被告はその後、翌日に控えた一般質問の原稿を作ると同僚議員に伝え、午後9時半ごろ自室に戻ったものの、この時すでに原稿は完成していたと主張。

9時41分から43分にかけノートパソコンを起動させ、原稿データが保存されたUSBメモリを挿入したものの、データは開かず1文字も記入していなかったことから、一連の行為が自室で原稿を作っていたことを装ったアリバイ工作だと指摘しました。

更に翌朝5時19分には初めて原稿データを開いたものの、この時も一文字も記入していなかったとしています。

また、妻の死亡直後から不倫相手だった女性に交際・結婚を執拗に迫って、女性と頻繁に会い、女性には付き合っていた男性がいたものの、「別れさせ屋」に依頼して別れさせることを画策していたと指摘しました。

一方、弁護側は一般質問の原稿は完成しておらず、アリバイ工作をした事実はないとしたほか、歩数計アプリの歩数カウントが少ないことが、丸山被告が議員会館にいた証拠であると主張しました。

また、丸山被告には事件前後で普段と変わった様子はなかったと主張しました。


■4つのテーマを立証
~有罪か無罪か~ 証人尋問は20人に

今後の裁判ではこれまでに挙げた4つのテーマにおける両者の主張を元に審理が進められ、最大の争点「犯人性」を判断していくことになります。

検察側は、4つのテーマでの立証を総合し、「丸山被告以外の真犯人がいるという仮説が常識的・合理的に考えて成り立たないこと」、すなわち、「丸山被告が犯人であること」を立証します。

弁護側は、丸山被告を犯人とする直接的な証拠はないとして、「犯人であると認定するためには、検察官が証拠により、合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に証明することが必要」としました。

裁判にはおよそ20人の証人尋問が予定されていて、11月19日と20日には被告人質問が行われ、判決は12月23日に言い渡されます。