(3)現場の状況・痕跡
■検察側の主な主張
・物盗り犯を装った丸山被告の犯行
・不自然な現場状況
・現場の足跡が丸山被告の靴と一致

■弁護側の主な主張
・第三者による犯行の可能性
・状況や痕跡は丸山被告が犯人であることを示さない

検察側は事件の現場となった事務所の机の引き出しに入っていた、金庫から現金が一部(5万円117円のうち3万6900円)だけ紛失していたことについて、
・敷地内で物色された痕跡はここだけで、犯人は金庫の場所を事前に知っていた人物だと指摘。

・また事務所の入り口から机まで、靴の足跡が一方通行にだけ存在し、遺体に手が届く場所には足跡が無かったことから、
・犯人は殺害時に靴をはかず、物色をした時だけ靴を履いていたと主張します。

その靴底のデザインが丸山被告が履いていたテニスシューズのデザインと一致したことから、犯人と丸山被告に繋がりがあるとしたほか、物色の状況など物盗り犯の犯行にしてはあまりに不自然な点が複数あることから、物盗り犯を装った丸山被告の犯行であると主張しました。

一方、弁護側は、
・金庫には鍵がかかっておらず、第三者でも容易に現金を持ち去ることができたと主張。

・丸山被告が所持していたテニスシューズは10年も前のもので、同じとはいえないとしたほか、
・現場敷地内には別の足跡も多数あり、足跡が偽装工作であるとは言えないと主張しました。