自らも対象者だった過去 “元不良”が保護司になった理由

それは、16歳の時のこと。

十島さん
「バイクに乗っていて、パトカーに追いかけられて仲間が2人が捕まった。2人を逃がして公務執行妨害で、その時にお巡りさんが転んで怪我したみたいで、傷害とかもいろいろついて」

保護観察処分を受けた十島さんは、中沢照子さんと出会います。20年にわたり、100人以上の保護観察を担当してきた元保護司です。

元保護司 中沢照子さん(83)
「みんな気合いが入りすぎ、元気がありすぎ、迷惑かけすぎ、そんな感じだった」

十島さん
「最初は行かなきゃいけない約束だから行くってね」

面談を繰り返す中で、十島さんは少しずつ心を開いていきました。

十島さん
「やって当たり前と言われるようなことを『あんた偉いじゃない』と褒められた。だから話していて気持ちよくなる」

1年間の保護観察期間が終わっても、交流は続きました。

十島さん
「年に何回か集まりがあるときに中沢さんに声をかけて、気づいたら縁は切れなかった」

そして6年前、引退する中沢さんの推薦で十島さん自身も保護司になったのです。

十島さん
「間違いないなく私の外れかけたレールが方向修正して、人に迷惑かけない程度には生きていけているので感謝しています」

対象者との信頼関係が基本にある「保護司」制度が今、大きな課題に直面しています。