この冬の天気はどうなる?海水温が高い影響は?

南波キャスター:
10~12月の3か月予報(平均気温)は、以下のようになっています。

▼10月 全国的に高い見込み
▼11月 北日本は平年並みか高い
それ以外はほぼ平年並み
▼12月 全国的にほぼ平年並み
(気象庁のHPより)

広瀬駿さん:
昨シーズンは記録的な暖冬でしたので、平年並みの予想でいうと12月は初冬らしい状況になるでしょう。

この冬はラニーニャが発生する確率が高く、日本は寒気が南下しやすい傾向にあります。

ラニーニャとは、南米のペルー沖の海水温が平年よりも低くなることで、いろいろな高気圧が強まったり弱まったりするようになり、南米起点なのに全世界的に異常気象が連鎖する現象です。

夏は暑さが厳しくなり、冬は寒くなるなど、全ての現象に極端にメリハリがつくようなイメージです。

南波キャスター:
ラニーニャが過去に発生したことがあります。

▼2020年12月
関越自動車道で大雪による2000台以上の立ち往生

▼2022年1月
東京都心で最大10センチの積雪

広瀬駿さん:
ラニーニャが発生する可能性は少し低くなっていますが、日本海側で特に雪が降りやすい状況になるのではないかと思います。

日本海は暖かい海流が流れているので、寒気がやってきたときに日本海で雪雲が発達しやすいです。

冷たい空気が流れ込んできているのに海は暖かい状況なので、冬の露天風呂のようなイメージです。冬の露天風呂は、寒いのにお湯は熱いので湯気がたくさん立ち上るわけですが、同じようなメカニズムで日本海では雪雲が発達します。

今年の夏の記録的な猛暑で海が温まっているため寒気がやってきたときに、いつも以上に雪雲が発達して、特に初冬は日本海側で災害に繋がりうるような大雪になる可能性があります。大雪災害には備えていただきたいです。

関東の大雪は冬の寒気の動きとは別で、南岸低気圧がやってきて雪が降るパターンが多いのですが、関東も他人事ではないと思って雪の情報に気をつけながら過ごしてください。

井上キャスター:
ちなみに昨年の冬は暖かかったんでしたっけ?

広瀬駿さん:
昨年は3か月通してみるとかなりの暖冬だったので、スキー場で雪が降らないなど日本海側は雪不足に悩まされる状況でした。

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<プロフィール>
広瀬駿 気象予報士
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究