ーーそして、この他、旧統一教会と安倍元総理の関係についても取り上げられたと思いますが
後藤政治部長:
先ほどもJNNの世論調査を見てもらったんですけれども、8月に比べて、明らかに9月の方が反対が増えていると。1か月でかなり国葬の見方が変わってきてるんですけど、一つの大きな原因としては選挙の時に、安倍さんが会長を務めていた自民党・安倍派の関係する議員が旧統一教会から何らかの支援を受けていたとか、あるいは、接点が多く見られることがありました。そういったことから安倍さんが生前にどういった関わりがあったんだってことを8日も野党側は追及したんですね。例えばま立憲民主党の泉代表ですけども、この旧統一教会等と安倍元総理のことを、この問題に関してのキーパーソンだと位置づけて、岸田さんとしてはこれからこの問題を見ていくのかっていうことを質しているんですけども、それに対して岸田さんは次のように答えています。
岸田総理:
安倍元総理の、統一教会との関係については、これはそれぞれご本人の当時の様々な情勢における判断に基づくものであります。ですから今の時点で、本人が亡くなられたこの時点においてその実態、十分に把握することは限界があると思っております。
後藤部長:
もう当人が亡くなっていますから、もういない以上はなかなか調べるのが困難だということを、さっき岸田さんは話しました。これも8月31日、岸田さんがコロナで療養してて、復帰したときにも、記者会見を行ったんですけど、その時も同じ発言をしています。ですから安倍さんとこの旧統一教会との関連性を調べるというのはなかなか難しいんだってことを改めて説明したんですけれども、そのあたりが国葬に対して、慎重あるいは反対の意見というのが多くなっているのは、この部分が大きいんじゃないかなと思います。
ーー8日の夕方に自民党は旧統一教会と党所属議員との関係について行ってきた調査を公表する予定です。

後藤部長:
調査用紙が各所属議員に8月の下旬に送られて、1週間ぐらいの期間でちゃんと答えてくれというので、自民党の茂木幹事長が主導して進めてるみたいなんですね。項目見てみますとこ祝電送ったっていうのはよく報じられた話から、あとは選挙で人的な、いろんな形のボランティアですとか、支援を受けたとかかなり細かく出てるんですね。これかなりの規模感で接点があった議員はいるんだろうということなんですけれども、特にこの寄付やパーティー収入とか、選挙におけるボランティア支援など、こういったより他の議員よりも関わりが深いであろう、そういう方に対しては実名で、今発表することを検討しているという話も出ています。
ーー公表の結果を受けて国民がどの程度納得するかというのはすごく大きなポイントになってくると思いますが
後藤部長:
岸田さんと自民党が今危機感を持っているのは内閣支持率です。今月の調査なんですけれども、岸田さんになってから初めて支持と不支持が逆転しています。もうできれば膿を出し切って、この負の連鎖を断ち切りたいというのが岸田さん、あるいは自民党幹部の本音だと思うんですね。

ーー支持率が現在48.1%で、今回初めて岸田内閣になって不支持率が48.3%と上回ったという結果ですが、今後ではどのように変化していくのか8日の夕方の公表結果も大きく左右してくるところではないでしょうか?
後藤部長:
ただ、これを公表したから劇的に変わるというのはなかなか難しいと思います。やはり逆風はしばらく吹きますし、おそらくこの9月末の国葬までは、岸田さんのにとって厳しい風が吹くんじゃないかなと思うんですけども、そういったダメージを最小限に食い止めるためにも、8日にできる限り詳細な公表というのが問われるんじゃないかなと思います。
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後藤俊広
TBSテレビ 報道局政治部長
小泉純一郎内閣時から政治報道に携わる。郵政民営化を巡る自民党の小泉VS民営化反対派の闘いや自民→民主、民主→自民の2度の政権交代などを現場記者として取材する。趣味はプロ野球観戦で中日ドラゴンズの落合博満元監督を取り上げた「嫌われた監督」が座右の書
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