■「殺りくはたったの15分間」

弟を殺された ジョン・ケリーさん:
「ちなみに私は通りの先にいました。身を隠していたんです。マイケルが撃たれたとは知りませんでした。
人々はマイケルを抱えて脇道の袋小路に運びました。そこで何かしら応急措置をしようとしていました。でも兵士たちが路地の奥にある集合住宅の後ろから入ってきたんです。
兵士E、F、G、H。この4人の殺人者です。やってきて、すぐに銃撃を始めました。マイケルを運んでいた人達にです。
再びマイケルは抱えられ、路地のさらに奥に運ばれました。そこへも銃撃がありました。
ウィリアム・マキニー(27)とジョー・マホン(16)が撃たれました。ウィリアム・マキニーは即死でした。銃弾はウィリアムを突き抜けて、ジョー・マホンにも当たったんです。ジョーは存命ですが、ウィリーは死にました。
ジム・レイ(22)はそれより奥の角にいたところを撃たれました。パツィ・オドネル(40)は路地の入口近くで撃たれましたが生き残りました。
ジョー・フリル(22)、マイケル・クイン(17)、ダニー・ガレスピー(32)もこの袋小路の一画で撃たれました。
ジェリー・マキニー(35)は子供が7人いて、もう1人生まれる直前でした。両手を上げて兵士Gに武器を持っていないと示しましたが、Gは10メートル以内の距離で発砲し、弾は脇から入って貫通。そばにいたジェリー・ドナヒー(17)にも当たって2人は1発の銃弾で殺されました。
兵士Fは、ウィリアム・マキニーを撃った後、路地から見えるロスヴィル通りの街灯のあたりで、パディ・ドハティ(31)が四つん這いで逃げようとしていたのを見つけて、発砲しました。弾は股間から入って胸へ抜けました。
バーニー・マグウィガン(41)は身を潜めていましたが、パディが撃たれたのを見て、助けを呼ぶのを聞いて、助けにいこうと物陰から出て行きました。白いハンカチを振りながら。またもや兵士Fが撃った弾は左耳の近くに命中、目から抜けました。
全てこの狭い一画で起きたことです。殺りくはたったの15分間で行われました」
ーーどうやってマイケルさんが撃たれたと知った?
「私はロズヴィル通りの先にいました。伏せて、銃撃音を聞いていました。でも脱出しようと思ったんです。危険を感じたんです。当然ですが。
路地の向こうで人々が何か周りに集まっているのが見えました。どうにかしてそこにたどり着いてみると、皆が囲んでいたのはジェリー・マキニーでした。両手を上げていたのに撃たれた人です。救護措置を受けていました。
それを見ていたら後ろから呼ぶ声がしました。義兄でした。そしてマイケルが撃たれた、と知らされました。
ちょうどマイケルが運ばれて来たので私も手伝いました。救急車がやってきたのでマイケルを乗せました。同じく撃たれたジェリー・マキニーとジョー・マホンと一緒に。そして救急車は病院へと向かいました。これがマイケルが撃たれたと知った時の状況です」
ーーショックだったでしょう
「ええ、もちろんです。本当に酷い、酷い、酷い一日でした。酷い、恐ろしい日でした。一生忘れられません。だからこそ私は人々の無実を証明し、真実と正義を実現するために尽力してきました。この50年、私はそれに人生を捧げてきたんです」