■「ウクライナから日本にミサイルなど供与の依頼がありました」

軍事支援において何をいつどれだけ提供するのかはアメリカの政治判断にかかっている。一方でウクライナにすれば、どこからでも構わないから支援が欲しい。事実、日本もウクライナから武器の提供を要求されていた。8月には元防衛大臣が次のように明かした。

河野太郎 元防衛大臣
ウクライナから日本にミサイルなどの供与の依頼がありましたが、残念ながら受けていません。チャンスがあれば供与して、実力を示す必要がある。実力があるなら輸出もできる。今回もそういうチャンスを逃したんだと思います」


ちなみに日本には三菱重工製の射程200キロをもつ『12式地対艦誘導弾』という優れたミサイルがある。

防衛研究所 高橋杉雄 研究室長
「ウクライナは世界中に要求してるので日本に依頼があったことは驚かない。ただ殺傷能力があるものを輸出するというのは政治判断。十分な議論は必要。」

東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「出せるものなら供与してあげたかったと私も思う。が、河野さんの言うように日本のプレゼンスを示すという動機はちょっと議論の余地はあると思う。日本も武器輸出はすると言っているので悪くないんですが、ウクライナへ武器を送ることの安全保障上の意義は、力による現状変更を受けている国に対して“それは許しませんよ”という側に日本が明確に回ること。自分たちが同じ立場になった時、諸外国はどのくらい支援してくれるか、そこに重点を置いて考えるべき」

(BS-TBS 『報道1930』 9月6日放送より)