出廷した修被告(1日 札幌地裁)

 修被告はカーキ色のパーカー姿で入廷。その姿を見た浩子被告はハンカチで目元を拭い、上を向いて涙をこらえるようすを見せていました。

ハンカチで目を拭うようすも見せた浩子被告(1日 札幌地裁)

 ■修被告に対する弁護人による証人尋問(一部)

《事件直後》
――‐ 瑠奈被告が首を持ち帰って来た7月2日未明、自宅の玄関で瑠奈被告が「首を拾った」と話した。その時頭部は見ていない?

「膨らんだ黒いビニールは見せられたが中身の頭は見ていない。瑠奈本人がビニールを持って帰ってくる前に氷を買っていて2階の浴室に行く前に瑠奈が『氷を持ってついてきてほしい』と言ったからついていった。ついていった後もビニールの中は見ていない」

――‐ 首を持っていたかどうか…その時の気持ちは?
「ずいぶん前のことですし、唐突な話でびっくりしてよく覚えていないが…半信半疑。『そんなことないよな、でもな…』という気持ちだった」


《『シンシア』について》
――‐ 録音で「私の妹」と瑠奈被告が言っていたが、過去に妹がいたことは?
「ありません」


――‐ 「妹」は誰?
「瑠奈自身のことを指すのではないか。瑠奈の魂のこと」

――‐ 「妹を殺した」と言ったときの人格は『シンシア』?
「他にも人格はたくさんいるので、いちいち誰かは確認していないが、『シンシア』さんじゃないか」

――‐ 「てめーら殺してやる」のてめーらは親のこと?
「シンシアは私たち(親)の対応の問題によって瑠奈の魂が死んだと考えているので、我々を憎むような発言をしたのではないかと思う」

田村修被告と瑠奈被告

 《瑠奈被告との関係について》
――‐ 実際に刺されそうになったりは?
「ない。親にナイフを振り回したりや、親以外の他人や動物もない」

――‐ 「殺す」という発言は事件の前にもあった?
「あった。実際に行動に移すとは特にそう思ってはいない。興奮が落ち着いたら普通に話せるし、具体的に我々に恐怖を感じることをさせたことがない。瑠奈の中で持っていきようのない気持ちがそうさせるんだろうなと思っていた。本人と確認したわけではないけれど、『これ以上生きたくない、死にたい、迎えに来てほしい』という『生きたくない』気持ちの裏返しで、『殺してやる』などの発言をしたんじゃないかと思ってる」

――‐ 瑠奈被告に「損壊をやめよう」とは言えなかった?
「日常生活の中で『これはまずい』ということはあったが、撮影を頼まれたときはほぼ損壊は終わっていて、ビンの中に入ったものを撮影したりしていたので難しかった。止められるところではなかった」

――‐ 「損壊はまた今度」とは言わなかった?
「もう、1つの目はくりぬかれた状態で、頼まれたのが夕方だったが、次の日朝、関西に出張する予定が入っていたので、丸2日家を空けることがわかっていて。そうなると撮影を浩子に頼む可能性が高く、浩子は損壊行為を考えただけでも身の毛がよだつ性格でとても耐えられないと思い、さっさと終わらせた方がよろしいなと思いました」