“ノーベル賞級”の研究と評価される「クラリベイト引用栄誉賞」の受賞者に、信州大学の堂免一成(どうめん・かずなり)特別特任教授が選ばれました。

堂免一成特別特任教授は、鹿児島県出身の71歳。「光触媒(ひかりしょくばい)」を使って太陽光と水から水素を作る研究を、40年に渡り続けてきました。

「クラリベイト引用栄誉賞」は、イギリスの情報会社が論文の引用回数などをもとに影響力のある研究者を選ぶもので、今年は6か国を拠点とする22人が受賞しました。

堂免一成特別特任教授:
「世の中に社会実装できるような安い『グリーン水素』を、二酸化炭素を発生しない水素を提供できるようなものを作るというのが我々の研究の目標」

化石燃料に替わるエネルギーとして世界的に注目されている水素。粉末状の「光触媒」を使った水分解は、二酸化炭素を出すことなく直接、水素を生成することができるといいます。

現在は、「光触媒」をシート状にした「水分解パネル」を使って、水素を製造するシステムを構築。

将来的な実用化に向けて、より効率の高い「光触媒」を開発するとともに、今後、飯田市座光寺の5,000平方メートルの土地に「水分解パネル」を設置し、26年度から、世界最大級の実証試験を始める予定です。

■堂免一成特別特任教授:
「まだあまり感慨というのはほとんどなくて、むしろプレッシャーのほうがあるかなと」

「クラリベイト引用栄誉賞」の受賞者はのちにノーベル賞をとるケースも多く、今後の研究が注目されます。