阿部守一知事:
「誠に無念でやるせない思いではありますけれども、これ以上の捜索活動は行わないということを決定いたしました」
2015年8月。
亮太さんなど5人の行方不明者を残したまま大規模な捜索は打ち切られました。

敏明さんは、遺族などの協力を受けて翌年から独自の捜索を続けます。
立ち入り規制が続く火口周辺。
ドローンを使いながら息子の発見につながる手がかりを捜し続けました。
亮太さんの父 野村敏明さん:
「簡単なものではないと思っているし、それでも何か手がかりになるものが見つかれば一番うれしいですけどね」
この年、偶然にも登山道で亮太さんのスマートフォンが発見され、敏明さんのもとに戻りました。
そこには、噴火のひと月ほど前に友人たちと花火大会に行った時の映像が残されていました。
「うわーすげえ、ちょう綺麗」
野村敏明さん:
「当時、友達から入っているラインやメールもあって、それを見ると『亮太どうした』、『無事でいるのか』といったメッセージも残っています」
亮太さんが噴火に巻き込まれたと見られるのが、王滝村と木曽町にまたがる八丁ダルミ。
2020年8月、王滝村側で初めて、捜索のための立ち入りが許可されました。

野村敏明さん:
「今度はもっと近くまで、もう一回出直して捜索に行くよと思いは伝えてきました」
翌年の2021年には、木曽町側の八丁ダルミで捜索が認められました。
このエリアは、亮太さんが噴煙に巻き込まれながら逃げた方向とみられ、遺留品のリュックが見つかった場所の近くなどを重点的に捜しました。
野村敏明さん:
「捜したいところを一通り捜させてもらったが、改めて捜索の難しさを感じました」
しかし、息子の手がかりはつかめぬまま、時は過ぎていきます。
今年の夏、敏明さんは、新たな捜索方法に挑むことを決めました。