家でも会社でもない第3の居場所

今回は、若年性認知症の人が通う事業所『マイWayサードプレイス(神奈川県川崎市)』を取材しました。

若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症で全国に3万5000人以上いると推計されています。こうした人たちは、自ら仕事を辞めたり、解雇されるというケースがあり孤立する原因の1つとなっています。

今回取材した『マイWayサードプレイス』は、企業などと雇用契約を結ぶことが難しいとされる人が利用できる「就労継続支援B型」の事業所で、若年性認知症の人の家族から相談を受けて、2013年にJR南武線・津田山駅前に開設されました。

『サードプレイス』という名前の由来と若年性認知症の人たちの仕事内容について、川崎市の若年性認知症支援コーディネーターで、NPO法人「マイWay」の理事として事業所にかかわる渡辺典子さんに聞きました。

NPO法人「マイWay」理事・渡辺典子さん

NPO法人「マイWay」理事・渡辺典子さん
「ご自宅でも会社でもない『第3の居場所』っていう意味で、仲間に出会えたり、好きなことができる居心地のいい場所になってもらいたいという思いでサードプレイスと名付けました。

基本的には室内作業がメインになっていて、Amazonの発送作業のお手伝いなどをしています。また、NPO法人の親会社に日本ヴォーグ社というハンドクラフトの会社があります。日本ヴォーグ社は全国に学校を持っていて、生徒たちが使うキットの作成などのお仕事もいただいています」

取材した日は9人がボールペンの組み立て作業や、荷札に紐を通す仕事をしていて、作業中は「自分自身の髪の毛が天然パーマかどうか」といった雑談や、「バブル時代の話」などで盛り上がっていました。