「美しい国」「あけがたにくる人よ」などの詩で知られる詩人、永瀬清子さん(1906-1995)。
永瀬さんが暮らした岡山県赤磐市で、いま企画展「杉山千代と永瀬清子―『女の新聞』から『女人随筆』へ」が開かれています。

赤磐市教育委員会の学芸員、白根直子さんにうかがいました。

ー今回の展示は、どのような想いから企画されたのでしょうか。

「杉山千代さんのことは、いつか紹介したいと思っていました。永瀬清子さんは、父の赴任により名古屋で暮らしていた時に地元の新聞で杉山栄さんのドイツからの通信を読んでいました。その方の妻が杉山千代さんで親子ほどの年の差も関係なく、岡山で最初の友人になったことを知り、人と人との出会いの不思議やご縁を感じないではいられなかったからです」

ー杉山千代さんは、どんな女性でしたか。

「杉山千代さんは、岡山市で1958年7月に毎月1回『女の新聞』を発行していました。120号まで発行したのを機に、1968年に後継誌として雑誌『女人随筆』に切り替え、現在も発行され続けていることも知っていただきたいと思いました」