8月24日、大阪府堺市で妻と娘が殺害された事件。警察はブラジル国籍の夫を殺人容疑で指名手配しています。夫はすでにブラジルに向けて出国したということですが、いったいどこに潜伏しているのか。現地を取材しました。
8月24日、大阪府堺市東区の集合住宅の一室で荒牧愛美さん(29)と長女のリリィちゃん(3)が殺害されているのが見つかった事件。室内から血のついた包丁が見つかり、玄関や窓は施錠されるなど第三者に侵入された形跡がないことなどから、警察は同居していたブラジル国籍の夫であるバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)を8月20日~21日の間に2人を殺害した疑いで指名手配しています。
愛美さんをよく知る友人はバルボサ容疑者について次のように話しています。
(愛美さんの友人)
「すごく社交的ですね。すごく人なつっこくて、明るくてよくしゃべって。誰とでもすぐに友達となるみたいな」
8月初めには家族3人で旅行に行くなど仲が良さそうだったといいます。その一方で、事件の少し前には愛美さんから「離婚を考えている」と相談されていたといいます。
(愛美さんの友人)
「(バルボサ容疑者が)育児もあまり手伝ってくれないし、ケンカも重なって(離婚を考えていると)。(愛美さんは)すごく優しくて、子どもの将来のために貯金も頑張ってしていたので。彼女は子どものためにやり直そうと頑張っていたと思います」
大阪府内の防犯カメラに映ったバルボサ容疑者の姿。撮影されたのは8月21日午前11時半ごろで、バルボサ容疑者はこれより前に2人を殺害したとみられています。
その後、22日夜には成田空港からブラジルに向けて出国したというバルボサ容疑者は今どこにいるのでしょうか。
(JNNサンパウロ・山口貴史支局長)
「バルボサ容疑者が入国していれば、こちらの空港に到着したとみられます」
ブラジル有数の都市・サンパウロの郊外にある空港。地元メディアなどによりますと、バルボサ容疑者はこちらの空港に到着して潜伏先に向かったとみられています。
またバルボサ容疑者はサンパウロから約500km離れた風光明媚な南部の都市・ロンドリーナ市に向かったということです。その理由は…。
(JNNサンパウロ・山口貴史支局長)
「ロンドリーナ中心部にあるこちらの学校でバルボサ容疑者は学生時代を過ごしていたということです」
ロンドリーナ市はバルボサ容疑者の出身地です。今回の事件について地元の人たちは次のように話しています。
(地元の人)
「ロンドリーナにとって悲しいですし恥ずかしいことですが、それ以上に都市の恥ずかしさよりも人間として恥ずかしいです」
「この事件で日系社会だけでなくブラジルにも大きい影響を与えるでしょう。残念ですがそれはマイナスイメージとして伝わっていくでしょう」
「容疑者は自身で事情を説明し、私たちに本当のことを知らせてほしいです」
バルボサ容疑者はどこに潜伏しているのでしょうか。地元住民によりますと、バルボサ容疑者の家族は数年前にロンドリーナ市から隣のカンベ市に引っ越したということです。
9月3日、家族が住む家へと向かってみると、もぬけの殻になっていて扉は鎖で閉ざされていました。この家にはバルボサ容疑者の両親や弟が住んでいましたが、地元住民とほぼ交流はなかったということです。
そんな中、バルボサ容疑者の弁護士が文書を公表。ブラジルに帰国していることを明らかにしたうえで、地元警察から聴取は行われていないとしています。ただ出頭要請があれば応じるということです。
また地元メディアによりますと、バルボサ容疑者は自身のSNSに「妻が娘を殺害し、自分が妻を殺害した」というコメントを残していたといいます。
大阪府警は国際手配も視野に捜査しています。
注目の記事
「野球のために始めてみたら…」体重の2倍以上165キロ持ち上げ 島の高校生がパワーリフティング日本一

「なぜ裸?」子どもの質問に小島よしおは…1歳児の子育てに奮闘しながら実践「妻と熱量を同じに」月イチで夫婦は…トークショーで明かした“小島流子育て論”の正体

当時24歳・雑誌記者の辻出紀子さん行方不明から27年… 両親らが情報提供呼びかけ 警察官のべ3万9000人以上が捜査にあたるも有力情報は得られず 三重・伊勢市

「月に一晩ぐっすり眠る時間がほしい」24時間ケアを続ける医療的ケア児の家族 病床削減問題が照らした数字では見えない親の声

「2歳の頃はママ・パパと呼んでくれていたのに」 主に女の子に発症する難病“レット症候群” 今は会話も食事も難しく… 根本的治療法がない先天性の神経疾患

愛するちいちゃんは見知らぬ男性に突然命を奪われた SNSで知り合った男に娘を殺された父親の22年間の苦悩と命の教え【前編】

「逆にお聞きしますが、僕がパクられた時に京アニは何か感じたんでしょうか」言い返す青葉被告を裁判長が制止した 遺族がはじめて被告人質問に立つ【ドキュメント京アニ裁判⑪】

「投資用物件とフラット35」で相次ぐトラブル…住宅ローン4000万円『一括返済』求められ「絶望」勧めた不動産会社Xに取材を申し込むと

幼少期に性被害「ずっと自分を殺したかった」加害繰り返した男性「反抗しない子どもに…」当事者たちの証言【MBSドキュメンタリー映像‘23】

「お金ないし誰の子どもかわからない」路上で赤ちゃん出産…傍聴から見えた女の半生「風俗店勤務でホテル転々…給料の大半はホスト通いに」「過去12回の出産」「妊娠を相談する人がいなかった」





