開いているスーパーなどで食料を確保

 ―――リアルな現状を伝えたいという一心ということなんですね。ウクライナの中でも何事もなく平穏に暮らせている場所はあるのですか?

 「最初はキーウもひどかったんですけど、4月ぐらいに入ると、キーウに対する攻撃も弱まり、キーウのロシア部隊もほとんど撤退しましたので、基本キーウより西側はたまにミサイルとかが飛んできたりすることはありますけど、ちょっとずつ普通の生活を取り戻しています」

 ―――リスクの濃淡はあるけれども、日本人からすると、落ち着く瞬間はあるのだろうかと感じます。カオルさんはMBSの番組内の中継では建物の中にいらっしゃいましたが、食事や宿などの確保はどうしていたのですか?

 「申し上げたとおり、キーウより西は町として稼働している町が多くて、閉まっているレストランも多いんですけど、スーパーやレストランがまだやっているところも一部ありました。キーウでもレストランがほぼ1か月間ほとんどなかった状態だったんですけど、スーパーはやっていますし、そういったところでは普通に食事はとれますね。あとは、実は昔にベラルーシで取材していまして、そこで知り合った友達との繋がりも深いので、ちょっと家を貸してくれたり一緒に食事をしたり」
 ―――横の繋がりで滞在場所を見つけていったということですね。気になっているのは、教育施設が2000か所ぐらい破壊されているということですが、子どもたちは学校など、そういう中でどうやって過ごしているのでしょうか?

 「破壊された学校をたくさん見てきましたけど、実は戦争が始まってからはほとんど学校というのは使われていなくて。ただ、ウクライナのネット環境はかなり優秀で、だいたいどこに行っても“ズームクラス”とかができる環境にはなっていまして、ズームクラスを受けるときは、避難した子どもたちがドイツやポーランドから参加し、非常にインターナショナルなズームレッスンがありましたね」

 ―――町の治安はどうでしたか?
 
 「僕が見た限りでは、攻撃を受けたスーパーマーケットはあるものの、大規模な略奪や治安がすごく乱れている様子はなかったです」