
同時刻の「野国」をけん制するため先手を打った形だが、逆に言えば、総理が発言せざるをえなくなるまで追い込まれたとも言える。立憲のベテラン議員は「野党がまとまってくることが、与党としては一番いやなこと。あるべき国会の姿が戻ってきた」と一連の動きを評価する。
旧統一教会めぐる「議員立法」の行方は…
両党には旧統一教会問題での共通課題もある。立憲民主党は「カルト被害防止・救済法案」を作成中で、8月31日には野党ヒアリングに2世信者が呼ばれ「高額献金を規制するべきだ」と訴えた。山井和則国対委員長代理は「議員立法の成立が秋の臨時国会の勝負所」だと決意をにじませる。

一方の維新も9月2日に、全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹氏から被害実態のヒアリングを行い、音喜多駿政調会長を中心に立法の準備を進めている。信者らの所得に応じ、寄付の上限規制を設けるなどの内容を目指しているが、上限を設けること自体が“違憲”ではないかという指摘もあり、臨時国会での審議を念頭にしっかりと検討するとしている。
議員立法などをめぐって両党の共同歩調はあるのか…ただ「憲法観」などでは全く相いれないことも確かで、“水と油”の関係が今後どのように変化していくかはまだ見通せない。維新の馬場伸幸代表は「立憲に対しても、あくまで是々非々の立場で対応する。この点は変わることがない」とあらためて、前代表の松井一郎氏の路線を継承することを強調した。
毎日放送報道情報局 解説委員 三澤肇