「今いるメンバーは全員素晴らしいと思っていますが、特に印象的なのは、新しいことを即座に吸収し、常に変化に適応できる社員ですね」こう語るのは、子ども向け屋内型テーマパーク「リトルプラネット」を展開する株式会社リトプラ代表取締役 後藤貴史氏。一方、疲労回復を目的としたリカバリーウェア『BAKUNE』などを手掛ける株式会社TENTIALの代表取締役CEO中西裕太郎氏も、「スタートアップという予測不能な環境の中で、環境に期待せずに淡々と仕事に向き合える胆力は共通している気はします」と、優秀だと思う社員の共通点に「変化への対応力」を挙げる。AI技術の進化、生活の多様化など身の回りの環境が日々刻々と、ダイナミックに変化していく現代社会で生き抜ける人材になるために、今、何が求められ、どのような経験が大切なのか――

この対談は、スタートアップ経営者が、就職活動中の学生たちから「逆面接」を受けるという企画を体験したあとに行われたもので、2人が採用の現場で何を重視しているのか、どのような人材が企業で成功するのかについて、生々しい本音が飛び出した。
「採用してよかった人材」の特徴と共通点
「スタートアップ企業は会社やビジネス環境が刻々と変わるのですが、そういう変化にどんどん適応して、自分のパフォーマンスを出してくれる方は、やはり採用してよかったなと思います」こう語る後藤氏だが、そのような社員の共通点として「過去に厳しい環境で働いた経験がある」ことを挙げる。「例えば、過酷な労働環境で働いた経験や、人間関係で苦労しながらマネージメントをしてきた経験がある人は、スタートアップの厳しい環境でも高いパフォーマンスを発揮できる印象があります」
中西氏もこれに共感。「やはり多様な経験をして難しい場面を乗り越えている方は、胆力含めて強いなと。スタートアップは会社のポテンシャルや成長を期待して入社してくれている部分があるんですが、入社してからは『誰かが自分を引っ張ってくれる』という他人に対しての期待がない人の方が活躍されている気がします」と明かした。自分で何とかしなければならない場面が多いスタートアップでは、大企業など環境が整った状況との違いを受け止め、順応できるかどうかで差が出るという。そのため、メンバーの重要な要素として、「自律性」を強調した。
「私の場合、YESマンではなくて、『自分にやらせてほしい』と言ってくる人の方が信頼できるし、実際そういう人の方が活躍しています」(後藤氏)
